製品紹介
ボルタンメトリー法による高感度分析を実現
FT-800シリーズの分析装置は、測定原理にボルタンメトリー法を採用し、原子吸光法やICP法などの公定法と比較しても遜色ないppbオーダーの高感度分析を実現(相関係数0.95以上)しています。日常管理で濃度変化を把握したい、検出・未検出の判定を迅速に行いたいなどのニーズを満足する分析装置として使用していただけます。
サンプル採取から結果を出すまで1日で実施
土壌汚染対策法や水質汚濁防止法などの法律により、土壌や地下水などに含まれる汚染物質の調査を指定調査機関で公定法により分析を実施することが義務付けられています。しかし、計量証明事業社へ試料を送付して結果を得るまでに数日の時間を要するため、即座に結果を把握したい、濃度の程度を知りたいなどの迅速性のある用途には課題があります。弊社の分析装置はサンプル採取から結果を出すまで1日で実施できますので、公定法とは別に自主管理としてお使いいただけます。測定は公定法に準拠した前処理※を実施して作成した検液で行いますので定量的な分析が可能です。
- 東京都が公募した「土壌汚染調査(重金属等)の簡易で迅速な分析技術」において、5元素の溶出量および含有量試験のすべてで技術選定されています(大成基礎設計株式会社、北斗電工株式会社、株式会社フィールドテックの三社で共同提案)。
- 簡易分析法に関する東京都公式ホームページ
- よくある質問はこちら
主な使用事例
- 土木現場における排水の自主管理やトンネル工事における掘削ずりの仕分け判定
- 産業廃棄物に含まれる重金属の日常管理
- 発電所等における石炭灰・焼却灰の管理
- 工事排水や地下水の水質調査
測定原理
FT-801・FT-802はアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー法(ASV法)を測定原理としています。これにより、公定法と遜色無い高感度分析を実現し、ppbオーダーの微量分析を実現しています。また、標準添加法による測定方式を採用しているため、信頼性の高い分析結果を得ることができます。

電極の種類
測定には、対電極、参照電極、作用電極の3つの電極を使用します。
作用電極
注目する物質の反応(酸化還元反応)が起こる電極
対電極
作用電極での反応に伴う電流を流すための電極
参照電極
作用電極の電位と基準となる電極

分析手順
FT-802で分析を行うためには、まず測定用検液を作製する必要があります。

①検液の作製
検液の作製は、公定法と同様の手順で行います。

②測定用検液の調整
測定元素の項目ごとに、手順に従って測定用検液を調整します。
調整は、作製した検液に専用の試薬を使用して行います。調整方法は測定元素ごとに異なります。
- 使用する試薬は測定項目ごとに異なります。
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一部の測定項目では、加熱やpH調整などを行います。
砒素 ・・・砒素 加熱
セレン・・・加熱、ろ過、pH調整 - 最終的な測定用検液は、全ての測定項目50mlです。

▲As(砒素)溶出用試薬
例:砒素溶出量試験の検液作成手順



